俳句を通して世界平和を
有馬朗人 (俳句ユネスコ無形文化遺産登録推進協議会前会長)

何故、俳句を無形文化遺産にしたいか、というと私が考えていることは、第1に短いということ。5:7:5という定形で世界で一番短い詩形であるということです。
第2に自然を中心に自然の中で共生している人間の生活を詠むということ。つまり、自然と共生する文学であるということです。日本では多くの人が作ったり読んだりしています。そして又、自然を愛好することによって自然を大切にする、それが地球の温暖化を防ぐのに大変重要な役割を演ずるだろうということ。
そして第3に短くて自然と共生することの文学で誰にでも書けるということ。この俳句を日本では極めて多くの人々が作ったり読んだりしています。
俳句の影響で、世界的に3行詩が増えていますけれども、短いが故に今まで詩を作らなかった人も含めて俳句への関心が世界中に広まっていること。その世界に共感者が増えることによってお互いにそれぞれの民族の意志を疎通し合う事、俳句によって疎通する事が出来るようになるということなどです。
そしてやがてはそれが世界の平和につながることを私は考えて、この登録推進運動を進めている次第です。
(2017年1月26日の(公社)日本記者クラブ主催の記者会見にて)