高浜虚子の俳句をバイリンガルで楽しもう!

はじめに

俳句は、「その解釈を読者に委ねる」という特徴があり、読者次第で幾通りにでも解釈することが可能です。この俳句の特徴を論理的な言葉である英語で生かすことは至難です。日本語と英語には構文的な違いや対応する単語の意味・ニュアンスの違い、言葉の響きの違いなど、様々な違いがあり、原句のニュアンスを英語で表すことは不可能です。しかし、翻訳を通じて原句の句意をさらに深く理解出来ることもあります。

「ユネスコ無形文化遺産に俳句を登録する運動の一助になれば」との思いから、「高浜虚子の100句を読む」(坊城俊樹著)の掲出句などをHAIKU(英語俳句)に翻訳してブログ(「チュヌの便り」)に掲載したものを推敲・追補・編集して、100句を年代順にHIAのホームページに5回シリーズで掲載させて頂きます。

最終回は高浜虚子(1874~1959)の辞世句の新解釈など、虚子晩年の俳句の魅力に富んだものが沢山あります。日英バイリンガル俳句の面白さを最後まで楽しんで頂ければ幸いです。

俳句愛好者が世界に広がることを願いつつ、前書きとします。

(国際俳句交流協会会員・花鳥同人)木下 聰 (2018.2.22)


インデックス


【自選自筆】虚子百句(岩波書店)8,9頁の一部分