
ジェームス・W・ハケット プロフィール
(中村泰美 訳) |
履歴
1929年、アメリカ、シアトル生まれ。禅俳句および英語俳句の第一人者。
ワシントン大学で歴史と心理学を専攻し首席で卒業、中国道教と仏教の禅宗に精通している。
1950年代に事故で危うく一命を落としそうになるが、その事故を契機に「精神的に再生」し、生命に対する畏敬の念を心に抱き、「偉大な自然」と「永遠の命、瞬間の命」に焦点を当てた俳句を詠み続けている。隠遁生活を好み、精神的な英語俳句づくりにその身を捧げている。
1950年代、R.H.ブライスに師事。5年間に及ぶ文通が始まり、ブライスはその著書『俳句の歴史 第2巻』The
History of Haiku, Volume2 の中でハケットの俳句を紹介した。ハケットの初めての句集『俳句 第1巻・第2巻』(First
Poetry Volume 1-2)の出版は、ブライス(1964年死去)の生前の骨折りにより実現した。
アメリカの俳句研究者、ハロルド・G・ヘンダーソンとの文通は11年間にも及んだ。(ハケットとヘンダーソン及びブライスとの往復書簡は、サクラメントにあるカリフォルニア州立図書館のアメリカ俳句文書館に保管されている。)
ハケットは長い年月をかけて何度も訪日、その都度日本中を隈なく旅した。最初の訪日は1964年、日本航空主催の全米俳句コンテストで大賞を受賞した折である。
ハケットは禅宗寺院の老師、中川荘園老師(三島)、緒方宗伯老師(京都)の食客だった。両老師はハケットの「禅俳句」が禅の精神を正確にアメリカへ伝え得ると確信していた。
著作には『俳句第1巻〜第4巻』(Haiku Poetry1−4)、Bug Haiku、The Way of
Haiku、Zen Haiku、Zen Poems(すべて日本の東京での出版)などがある。その作品は翻訳されたりアンソロジーに編集されたりして世界的に知られている。
「J.W.ハケット国際俳句賞」が毎年イギリス俳句協会により授与されている。ハケットのウエブサイトも今年後半に開設される予定である。
代表5句
| Searching on the wind |
風にしみいる |
| is the shape of its beak |
まるでその嘴のように |
| Deep within the stream |
せせらぎの底深く |
| the huge fish lie motionless |
大魚がじっと潜んでいる |
| facing the current |
川の流れに立ち向かいながら |
| As Nile dusk deepens |
ナイル川に夕闇が迫る |
| Egrets blizzard to the same |
鷺がどっと |
| Like Blyth,* that farmer: |
ブライス*を慕うように |
| the way birds probe and wing |
鳥たちが農夫の鋤のまわりを |
| around his plow. |
探りながら飛んでついていく |
| * refers to R. H. Blyth |
* R.H.ブライスのこと。 |
| Pavilion empty, |
ひとけのないあずまや |
| the old Shanghai gardener |
年老いた上海の庭師が |
| dances with herself |
ただ一人踊る |


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